屋根の下/
もっぷ
神さまの絵筆から零れ落ちた
あかねいろにあやされて
泣きそうになるのを
こどもらしい頬のあどけなさに
家路に背を向けたことはなかった
鳥の立つ空をみあげながら
ほんとうは自力で
これからのきょうの白紙化を学んだ
夜空を知らず
あおさも覚えず
六歳の空はいつでもいつまでも
振り返ればあかねいろ
この時代にとって
唯一のぬくもりのままに
いまの私にとって
唯一の屋根の下の証しのままに
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