墓標/
這 いずる
蝶の翅が木漏れ日に輝いて酷く
目を楽しませるので
葉にとまり休む一瞬の隙に捕まえた
手の上で誇らしげに鱗粉を散らす
ひとつひとつ虫ピンに飾られ美しく並べられることは
小さな石の墓標も失い
永遠に乾燥した生の約束であり
私は蝶を潰すでしょう
空気へ羽ばたく翅の音が
嬉しげに聞こえるものだから
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