花・花・花・人 「八月」/もっぷ
 
たそがれ時の偽りの永遠が僅かに、薄らいで
今年の夏至も千年の眠りについたのだと
いよいよノートにペンを走らせる
しかし明日からの八月が

八月がかなしい さびしく終わるから なぜ
この月に好んで命を誇る花があるのだろう
今だけを覚えて時に風にそよぎ
時に凪にしずかに従う 汗まみれで

その彼らの気配を足の視界に感じながらみあげながら
人である私は片手にペットボトルを掴んで
また汗を拭う また …けれど

あっという間なのだろう夏は八月は
四季は一年は何もかもの天がゆるした椅子は
花よりも 人にとってこそ


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