開拓の停滞/寒雪
灼熱の太陽が
口を大きく広げて
地上のすべてを
吸いつくさんとしている
その下で
赤く焼けただれたケロイドみたく
焼け付く臭いを充満させた
溶岩の中ぼくは
どうしようもなく埋もれている
頭の中に
たくさん転がっている
見たこともないような
ガラクタを
一つ一つ
眺めても
今ぼくが
ここでなにをしたいのか
ここへどうやって来たのか
記憶の底に埋もれている
どこからともなく
大丈夫かい?
声をかけられることも
よくあること
本当のところ
居心地は決して良くはない
暑いし痛いし
流れてくる溶岩を
どうしようもなく
ただ
右から左へ
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