源泉/葉leaf
この夏の澄んだ空気の中、あなたの墓前では、存在が、歴史が、社会が、人生が、すべて源泉に遡っていく。存在は素裸になって積み上げられ、歴史はその体躯をいよいよ明らかに投げ出し、社会はその緊密な構造を再び生み落とし、人生は素早く自らへ跳ね返る。あなたという源泉の前で私は新しい生を再び獲得し、これまでの生の層にうっすらと重ね合わせていく。連峰に囲まれたこの寺院にて、雑多に飛び交う世界の粒子たちは再び整然と並び立ち、明日や明後日を鋭敏に感覚し始める。
詩集に表れる詩人と、具体的な人格として表れる詩人とでは、鳴らす音楽の原理が異なる。詩人同士の継承は身体同士の交響でなされ、その交響の原理が詩集による
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