摂理/寒雪
乾いて
皮膚が焼けただれた
地面の上
噴出しては
血飛沫に埋もれていく
生命の後先に
ぼくは囲まれて
右にも左にも動けない
見上げても
見下ろしても
ぼくには
心臓を象った
丸い血管の束だけが
赤く焼き付いて
ぼくの脳裏から
離れてくれない
足元に
ほんのわずかだけど
いつの間にか
小さく赤い穴が
瞬きしてるうちに
それは
広がって
ぼくの肩幅くらいに
両足を
必死に広げても
ぼくだけが
抗えるはずもない
否
よくよく考えてみれば
抗う必要もない
そういうこと
なのだと
急に腑に落ちた
これは
摂理なのだと
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