スタンドアローン/ホロウ・シカエルボク
すでに枯れ落ちた花のことを
長々と誰が語るだろう
赤茶けた花弁は路上に削られて
瞬く間に塵となるだろう
聖堂から微かに聞こえてくる祈りは
人間以外の何をも救うことは出来ない
言葉で語られているから
当然と言えば当然のことだ
遠い過去に死んだトランペット奏者の息遣いが
使われなくなった水汲みポンプの側で
あるはずだった未来について話している
野良犬が通りすがりに少しだけ気に留める昼下がり
安いウィスキーのボトルが転がっている
飲み干された一夜の夢がその中で骨になってる
酔いのせいなのかそのそばに捨て置かれたどこかの部屋の鍵は
運命について考え
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