時間/松本 涼
 

産毛のような時間が
どこまでも不完全な
このたましいを撫ぜている


それでもたましいは
長い間私が見向きもしなかった
いくつもの小さな愛たちを

その時々に抱えていたのだと
時間は柔らかく私に訓え


私は今やっと
たましいの中に
住もうとしている

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