四季者/水宮うみ
特大の夢を見ながら眠る君に春という名の毛布をかける
暑いねと微笑む君の声聞いた瞬間世界が夏へと変わる
食欲の秋だねと言って栗食べるくりくりとした瞳が愛しい
冬の夜電話の向こうで泣いているあなたのサンタに今すぐなりたい
春の新学期に同じクラスになった友達。
夏のプールで遊んでいたあどけない子ども。
秋に落ち葉のなかで微笑んでいた老夫婦。
冬の公園で黙々とジョギングしていた女の人。
新しい季節が来る度に、ひょっこりとかつて出会った人たちの影が現れて、僕はその影に会う度少し安心する。
僕もまた、誰かの季節の影になっているのかなと考えることは少し楽しい。
僕と君手と手をつないでどこまでも季節を越えて一緒に行こう
君という命があることそれだけで春夏秋冬ぜんぶが宝石
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