崩し砂/
這 いずる
ひねた昼間の月は 反射して
あんまりにも眩しい海を投射するので
このまま溶けて
海水の 不純物として疎まれたかった
海辺に蹲るあなたのところまで辿り着き
顔から落ちる 水が 混ざるそのそこに私がいること
それは 幸福 のひとつで
崩れる砂に書き続けているけれど
私の波は寄せては返し
真新しく砂地に明るい陽ざしを持ってくる
それは 悲しい幸せで
穏やかな海が 砂 を崩していく
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