やつは僕のクサビだ/竜門勇気
高所に備えられた
誰もが恐れる放水砲
水瓶が空っぽでも
クソの粒が飛んでくる
一人のときには
音楽聞いて泣いてます
みだりに使われる
容易い言葉で酔っている
セス、お前が死んだときに
僕は思った
これからどんなライブを
見損ねたとしても
後悔はしない
君は僕に見られることなく消え失せ
僕は君を見ることなく生きている
仮面の毎晩
面影で拾う熱く腐った情熱が
拾うそのそばから窓から射す
陽の影に刺されて壊れる
やつは僕の人生に
何もかもを与えて去ってった
僕は見えるようになり
憎しむようになり
そして目を閉じる方法も覚えた
それが全てなんだ
あのいやらしいバニラビーンズのように
それを薄めて優しいものは作られるんだ
多分、このいやらしい感情がなければ
僕は人らしくあれない
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