こえをきかせて/Seia
もうすぐ夜が明ける
誰かを励ますわけでもなく
体温がかえってくる
指の先を動かそうとして
ニカラグア
という響きが好きで
土地の名前は知っているけれど
主食が何かも
固有の生き物も知らない
検索することはある程度簡単でも
直前でその手をとめた
時の流れは残酷だろうか
平等に訪れる
あるいは未来と呼ばれていたもの
偶然の出会いと言ってしまえば
そこで思考はゆるやかになる
視覚トリックのような段差につまづいたことも
原付のハンドルに張った
蜘蛛の巣を小枝ではらったことも
バタフライ・エフェクト
いつかくる衝突のため
電柱に貼られた矢印がひらひらと舞
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