東京の風/もっぷ
 
駅のホーム
階段の手前でパシッという音
打たれたのはまだ四、五歳の少年
打ったほうの女性は一人で階段を下り始めた
ママ! ママ! ママ!
立ち尽くしてただ泣くばかりのあなたを
抱きしめたい わたしは
人ごみにまみれよどんだ七月の南風


戻る   Point(1)