GRADUATION/草野大悟2
 
 さくら色の雪が降っていく。
 うす水色の空を埋め尽くすかのように、絶え間なく降っていく。
 ラジオから尾崎豊の卒業がながれてくる。

「今日の雪、なんかおかしくない?」
 ぼくは、左に首を回して肩の下十センチくらいのところにあるあなたに尋ねる。
「自分で分かるまで教えてあげない!」
 あなたの即答はいつだって明快だ。
 そうなのだ、空から降るべき雪が、空へと降っていくことも、ほら、今ぼくが目の当たりにしているように、確かにあるのだ。
 そう言わざるを得ない現実の前に、ぼくがこれまで培ってきた常識たちがコソコソ音をたてながら姿を暗ましたことに、今さら驚きはしない。
 いつだって
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