手遅れ/倉科 然
 
機械的に進む日常
断片的な夢の気配

モノクロの夢の中に沈み込み
錆びついた思い出をつかみ取る

午後に目覚めた私の個の核を
夢の錆臭さが侵してゆく

ナイフを持って立ち尽くす人を見た
大都会の真ん中で
その人と私二人の夢


夢の中でさようなら。
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