無題/倉科 然
 
夕暮れ時の紅い雲
スズメが三羽飛んでいた
セミ鳴き声が煩くて
窓を閉めても
それはジワリと部屋に浸透してくる

汗ばんだ肌が陽に照らされて
またどうしようもなく空虚な夏が来ると思った

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