シラフの夜/宇津田詩能
 
シラフの夜の夜間飛行
空港を飛び立って
何も見えない空を行く
ただただ海は輝いて
赤く輝くワインの海
あるいわ黄金のウイスキー
落ちたら戻ってこれません
空港は閉鎖して
航空灯火も消えました
積荷は満杯酒ばかり
重くて航路も下がりつつ
喘ぎ喘ぎの夜間飛行
乗客みんなアル中で
お酒の提供できません
乗客達は騒ぎ出す
こんなに酒を積んだのに
乗客達の地団太で
航路はぐんぐん落ちていく
飛行機向かうその先は
回教国かキャバレーか
シラフの夜の夜間飛行
夜明けはまだまだ見えません

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