そしてそれはどちらであればよかったのだろう(オリジナル・スープ)/ホロウ・シカエルボク
古いマンションの空き部屋のような一室におれの生首がびっしりと並べられていた、そいつらはみんな生きていて床の上で首の付け根で座り、血走った目を見開いてなにごとかを叫んでいた、おれははじめそいつらがなにを言っているのか聞き取ろうとしたが、それが騒々しい喃語のようなものだと気づいてからは注意することを止めた、やつらの見開かれた目は確かにおれをとらえてはいたが認識出来ているかどうかは疑問だった、その目のなかには驚くほどにどんな感情も見つけることは出来ずなぜ見開かれているのかまるで判らなかった、下手な蝉みたいな声が壁や窓を振動させるほどに反響していた、はじめ、その光景に狼狽えていたおれは次第にいらだちを
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