GAS/木屋 亞万
暗闇のなかの白い砂
寄せる生ぬるい波
ぼんやりと砂の中からひかる
やってもやらなくてもよかった
いつかの課題たちが
ゆっくりと点滅している
千匹の子どもを度々生むならば
名前をつけたところで
もう会うことはない
心臓が体液の中で破れて
赤黒いバラが咲く
その花が枯れる頃に死ぬ
夕日が赤さを増しては
雲の腹を懐かしい朱に染める
回想を撒き散らした後の闇
自分の重さすら支えきれなくなって
今日も床に伏して眠る
なにものにもなれないまま
ごめんなさい
ありがとう
さよなら
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