。/
這 いずる
雨。
浮かれた願いを流してしまって
蝉の声も聞えない
しんとしたスコールが窓を叩く
耳の中の狂騒。
蝸牛がのろのろとフローリングを這い
残る鈍く光る涙の跡
蝉の声が死んだ時
私の涙も連れていかれて
からからの喉から振り絞った叫びは
窓際で雨が叩き返して
静寂。
戻る
編
削
Point
(10)