イオンへの旅/斎藤秀雄
 
なに
便利
なお店
を町のはじっこ
に置いておくの
はもったいない


町のまんなかには
セブンイレブン
が三軒もある
ついこないだ
まで四軒あった

けれどひとつなくなった



鮫が喰ったのだ



おそろしいことだ



町の人びとは
鮫におびえながら
国道を渋滞させ

イオンに集う

野菜を
買って
また
鮫のいる家庭へと旅立っていく

悼むことをやめ
ともにあらねばならない
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