イオンへの旅/斎藤秀雄
 
町の中
心は製
薬工場

町の北側
には日が
差さない

朝だけ
日が差す
小学校と役場

夕方だけ
日が差す
団地

団地の
人びと
が製薬
工場で
薬品を
つくる


工場
の南側
は日が差
す良い土地
ではなかった
だろうか あそ
こにはなにもない
よなあ そういえば
幼稚園があったな と
       君は思う


町の人びとは夕方
町のずっと南の方にある
イオンに買い物に行く

隣町からも来る

イオンはなんでも売っている

猫砂

牛乳

サンダル

売っている


こんなに
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