蛇さんへ/るるりら
 


ねこじゃらしが空を くすぐっているあいだに
蛇が玄関を激しく叩いたことがあった
蛇足めいた説明は一切いわない蛇だった
ただただ呪いの言葉でできた体躯ごと体当たりで 戸を叩く

あまえられない自分は なぜだ
あまりじゃないか
ああ無常
ああ あほんだら
手も足もでないぢゃあないか

そこにやってきたのは
枯れているときがいちばんやさしくゆれる ねこじゃらし
つい太陽がくすぐられて 大笑い
風が 太陽をくすぐることもあるんだぜ
雨が きみの蛙を育てるように こちょっとな
藪からぼうでいいから わらっておくれ ゆうらりゆるり こぉちょこちょこ
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