丘の上のふたり/ペユ
 
ように
  
「あの」と僕は言った
 十歳の少年のように二十六歳のオジサンである僕は
 コレボクノレンラクサキナンデスヨカッタラレンラクシテクダサイ
 イチニチデモイッシュウカンデモイッカゲツデモイチネンデモジュウネンデモゴジュウネンデモ
 マチマスカラ
 イツデモイイデスカラ
 イチドダケデモイインデス
 オハナシシテミタインデス
 ヨロシクオネガイシマス

 ねえ
 僕たちはお互いに
 愛と慈悲の言葉を口にするためだけに
 静かに耐えてきたんだ 
 年季の入ったワインのように 醸成させてきたんだ
 耳をふさいで 終わらない憎しみや悪意の標的に 僕たちはいつもいつも選ばれて 

 春になったら 小さな丘の上にふたりで行って
 街を眺めよう 手を繋いで 光の粒子に目を細めて
 僕とあなたの言葉を 空に浮かべて   
 愛していると 瞳に向かって 
 語り合おう 心の底に 優しい言葉が届くように

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