丘の上のふたり/ペユ
も交わされていたのに
まるでリスと野良猫の関係
僕もあなたも 傷つきたくなくて傷つけたくなくて
臆病に 距離を測っていた まるで一撃必中のスナイパーのように
トリガーを引く 愛の言葉を 最初に交わしたかったから
最初に交わした言葉は とっても平凡だった
「素敵な髪形ですね」とか(あなたのトレードマークは天然癖毛のハーフアップ)
「もしよかったら、一度どこかでお茶でも飲みませんか」とか(落ちついた喫茶店の案内ならまかせて)
そんな洒落た言葉のひとつでも出てくればよかったけれど
僕の口から出てきた言葉は からからの喉の奥から ヒナが孵化するようにようやく出てきた言
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