つぐない/朧月
 
休みの日の朝
ガスコンロとトイレを掃除することにしている
付着した汚れが気になる
私は一言多いから

言わなければよかったと
何度も思うのに
沈黙に耐えられず
また余計なことを言う

主人公はいつも寡黙で
だからこそ小説は面白い
おしゃべりな脇役は本でこそ光る

黙ってみがくレンジも
トイレもやがて綺麗になり
私もやっと罪がはがれて
ゆくようで安心できる
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