それでもまた/ウデラコウ
 
巡ったことを待つのではなく
巡ってから気づいた

そうか、そんなに時間が流れたんだねと、
なんとなく
ありきたりな言葉を並べる

僕にはまだ
わからないことが一つだけあって

どうしてあの時
君は
驚いた顔ではなく
はにかんで照れてみせたのか

それだけが
まだわからなくて

自惚れる気持ちを隠し切れずに
ほんの僅かに期待をする

君にとって
僕が
ほんの僅か
特別であればいいと

そんな烏滸がましい願いを
ずっと持ち続けて

あの時僕にだけ見せた顔が
君の唯一の真実であればいいと
ずっとずっと期待をしているんだ

叶う訳ないし
そんな絵空事は
口にすることすら憚られるけど

いつだって
君は僕の特別だから

それでもまた

叶わない恋なんて 洒落たものじゃない

二度とまみえなくても
僕を生かす
ゆいつの


巡り巡る季節がもう一度始まるからさ

あの日のはにかんだ顔だけは
僕のものでいさせて

戻る   Point(1)