朝と夜/乱太郎
 


制御のない朝の起動
太陽はいつまでも膨らみ
乱雑な鳥の鳴き声に光は拡散していく
二つの皿の擦れる音が
寝ぼけ眼の時間を砕き割り
名のない闘牛を歓声の輪の中に運ぶ

朝はこうして夜を寝かしつける
恐ろしい夢は霧に包まれて
明かされることはない
埋もれてしまう秘密の黒の書
歴史はもうひとつの物語を封印してしまう
そして始まる
見えない針の不規則なふれがいつまでも

ここは
点滅を繰り返す交差点
朝と呼ばれる清潔感漂う新緑の世界と
不気味なもう一つの時間帯

躍動を忍ばせて夜は片目をちらかせる
月は隠れてはまた現れる
星の輝きは狂気の爆発と正気の安産
見えない力で織りなす
過去への憧憬と無理数の新陳代謝
柵のない草原で牛が吠える

夜はそして朝を妬むだろう
乳牛までも絞られて

朝と夜
二つの酔いどれが運命を照らして回り続ける

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