刹那に思い出す/ウデラコウ
 
数え切れるだけの思い出だけ
携えていた筈なのに

あの日に引き戻すような 風の強い晴れた日は

懐かしいメロディが耳から離れなくて

どうしたってまた
君に戻る

どこをどう探せば
また君が見えるのか
皆目見当もつかないけれど

懐かしいあの曲は
煩いぐらいに頭の中をめぐるから

時折忘れたように届く
「元気だよ」
の一言だけでまた

歩かざるを得ないんだろうね

携えられるだけの思い出に
なんとか減らしたつもりなのにまた

いつのまにか君は僕から溢れ出して

拾い集める度に 立ち止まるけど

そういう時に限って
遠くから
僕を呼ぶ声が聞こえたような気がするから

風が強いから多分空耳だと
言い聞かせるけど

万に一つの可能性だけ信じて

溢れた思い出ばかりを
選びもせずに抱えて走り出すんだ

刹那に君を
思い出す一瞬に

どうか君も
頭の片隅で
僕を思い出してくれればいいと

願いながら

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