日々/飯沼ふるい
く
そのなかのぼくか
それをみるぼくか
とかく「いつか」ばかりが
ふりつもる
灰ばかりか
窓のない部屋
空想の語彙たちが
地層を築き
なだれて
明日へ結ばれない
空騒ぎの独り言
もういいかい
まぁだだよ
ぼくはもう
のぼせる寸前だけども
いつもその暗い部屋の壁に
爪痕を残そうとして
あれもそう
半年前の夏の夜のことだ
10年も前の恋人と
10年越しに手を繋いだ
それから
ふたつの熱が
誰に知られることもなく
口と口とで混じり合い
馴れ合うために準備してきたような
半端な孤独を分かち合い
初恋の懐かしいぬくもりを
大人のやり方で確認しあっ
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