日々/飯沼ふるい
これは
むかしむかしとちょっとのいま
真夏の壁に
交響曲が残照して
鋭くないガラス片と
青臭い血潮の
散った 咲いた
青春末期のお話で
※
顔の
みぎはんぶんが
麻痺している
先週の日曜からずっと
女児の乳房のようなしこりを
ほほに感じる
生きることの かたすみにおいやられた
さみしさが引き起こした病だろか
死を予兆する脳の異常だろか
冬、風邪をひいたとき、原因不明、疲労やストレス……
お医者さんは
ほほの強張る原因のいくつかを
指折りながら説いた
しかし原因不明って
それから帰って
熱い湯に浸かった
すぐ近くの
二車線の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)