忘れ給えよ/坂本瞳子
 
仮面の下でほくそ笑んで
本当の気持を見せることなど
決してないから
スキップだってすることなく
握り拳を振り上げることもなく
寝っ転がって
のた打ち回って
髪を振り乱して
溢れ出す狂気を抑えることなく
身体を捩って捻って
つま先を舐めてご覧よ
恋の味などしやしないから
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