群青/自縛ポエトリー/うい
 
にいく。
家で君が昼食を作っていた。
午後の王様に好きな音楽を教える。
王様にCDを貸す。
スーパーにいく王様は買い物の邪魔者

夕食は一緒につくる
明日に備えて早く寝る
闇に残されないように手を繋いで、呼吸を揃えて。

小さな声が聞こえる。(これはゆめだよ)
聞き取れなかったふりをした

目が覚め、寒さに気づく 隣には貸したはずのCDがある。
吸い寄せられるようにひらく
盤面に直接
「ありがとう、ごめんなさい、さようなら」
あのときから聞けないまま。

思い出す
こちらをみる黒い瞳
こぼれた涙
去り際に君が言った言葉

自分で都合のいいように塗り替えすぎた過去は思い出すのが困難になる
君がなんて言ったかもう、わからない。

空の群青色が強すぎて吐き気がした



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