のっぺらぼうの町/AB(なかほど)
すべては上手くいくさ
と口にしながら歩き出すと
なんとなく
なんとなく
ほんとにそう思えてきて
顔をあげると
なおまっとうに歩きだせる
これが意気揚々というやつか
と笑みまで浮かんで
そこは見馴れない町並で
あわただしく動く人びとの顔が
真っ白に見えて
それでも
すべては上手くいくさと
嘯いて
いったい、ここは何処なのさ
何処を歩かされてるのさ
何を見せられてるのさ
と記憶と心臓が
ざわつきながらも
すべては上手くゆくさ
と思えてた
そうこうしているうちに
軒先や木陰のベンチで
のんびりくつろぐ人たちが見えてきて
不思議にも
その
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