まれに雨が/ルイーノ
 


ウインドウの
埃を透かし
誘導弾が明かりを咲く
枯れたランプの
独声ひろがり
あれは街並みの
色と
また色


乾いた書物は
土に似ます
抱かれた晩だけ
夢を見ます
地名を数えて
暮らしてる
それは
安っぽい歴史です

死んだつもり
踊りませんか
軽い約束
お嫌いでしたか


深い深い
椅子に沈むと
溜息は赤く
灯るのです
やすらぎばかりは
蜻蛉の色
何を満たして
夏を見たのか

日影に呑まれた
室内は止まり
あなたの瞳は向かいに掛けて
ふたつ並んで
ままありました

不意の吐息のような雨


まれに雨が
降る日もあります

傘は非常に便利です



戻る   Point(4)