愛、苦しい。/薔薇の人
でもね、ちょっとだけ名残惜しいのは、
きっと貴方の味を思い出せなくなること。
だから、
その度に残った貴方を胃から喉に反芻して味わうでしょう。
何度でも、無限に貴方を感じる為になら。
そうして、
私は規則正しく管理され監視され閉ざされた壁の中で
終わらない夜の中で朝日を見る時を待つのね。
だけれど。
私の中で貴方は永久に生きているから寂しくないわ。
吐いて、味わって、飲み込んで。
ちょっと苦しい……、でも。
ふふふ。美味しい。愛してる。
大好きなんだから。
愛し過ぎたのならば愛し尽くしましょう。
貴方を全部私のものに。
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