きっとキット/
もっぷ
東の 海辺の桟橋からは見えない 孤島の白い砂浜
そこに蹲って少しだけ 泣いてみたことがある
二月の 私がまだ 一人のあたしだった頃
夢みるように
泣いてみたことがあるよ
という実話を念入りに壊して
きっと
キットにして あなたに送りたい
だから帰る 今日はもう帰る さよなら
さよなら は平仮名わずか四文字
計り知れない重たさの
ドアを閉じる 瞬間 まぶたに焼きついた
あなたの部屋のカーテンの色の名を
あたしが決めたい
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