ビー玉と色のない実験/カマキリ
 
シャーベットは冷たすぎて
小さなスプーンで突きながら
昨日見た星座のことを考えていた

たぶん眼前を行き交う人にとっては
ほんとうにありふれた話し
私が私に心をおくる作業のようなもの

改札をピッと行くように
テレビのスイッチを消すように
簡単にはいかないのだ

並べて繰り返して千の月
並べて繰り返して千と朝

溶け出した頃にやっと私は
ありふれたものに触りだすのだ
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