ひかりの風/もっぷ
 
そとのあかるさは
風のように部屋を訪れる
異国の布の隙間からのエトランゼ
誘うように歌いながら

もう春のワルツでなく
初夏、その一歩だけ手前の
ひと時だけの静けさへの招待状(いざない)
のように みえない世界をふと思う

よろこびやかなしみを超えた
そんな名のない感情が 移ろいを
淡淡と 淡々と 淡々と――

まだ私には毛布がいる/ある けれど
件の風がやわらかくひかりを
――応えるすべを思い出せない


戻る   Point(7)