漂白/卯月とわ子
 
真っ白になった心は柔軟にわたしの体へと帰ってきた

どんな形にでも変化をするのだから

彼のソレとピッタリくっついてくれても良かったのに

彼の穴にピッタリ嵌ってくれれば良かったのに

それが出来なかったのはわたしが不器用だからなのかな

最初の一瞬にピリッと走った静電気のような衝撃に負けてしまったからなのかな

彼は何一つ知らないだろうけど

わたしは彼に並ぶ努力をしたつもりでいる

でも涙が零れないのは

彼の事をそこまで好きではなかったからなのかな

それとも

心が真っ白に漂白されてしまったからなのかな
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