きょうかい。/木築
ったので、
ぶっしつは流れでてゆきました。
あしもとにしたたるので、
転ばないようにきをつけて、
あ、
彼女がくつしたをもちあげて、
ぬれちゃったよ、
と、いったので、ぼくと彼女のきょうかい、は、
ガラガラとこわれていきました。
しみてしまったものは、もどりません。
よごれてしまったね。
ぼくのこと、わすれてしまってもよかったよ、
でも、
ね、
しみてしまったことがかわらない。
かわいそうだね、って、おもうことが、
彼女をめいいっぱいやさしくつつむ、
あるひとつの暴力の、
あふれてしまったちからのことを、
きょうかいで、懺悔したら、
ぜんぶ、なかったことになりますか。
むじひ、な、切れめ、がやぶれてしまった。
ああ、かわいそう。
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