きょうかい。/木築
 
きょうかいせん、って言葉があるじゃない。
と、いった、彼女が、線をひいた。
むじひに、スッと切れめをきれて、
彼女は、だからね、と無意味なことば。

ひとつひとつが、正義である必要はなかった。

わかっていて、なにが、わかっているんだよ。
ただしい、ということが、なにひとつただしくはない、
そんなただしさ。

理解ができないよ。
あふれる液体が、シリコンカップに、
カチカチにこおらせれば、きっと形になるでしょう。

わかんないでしょ。
彼女がせいいっぱい、つきとばしていたもの、
の、ひとつ、ぼくはうっかり拾ってしまって、ああ、むざん。

冷却温度が足りなかった
[次のページ]
戻る   Point(4)