きょうかい。/木築
きょうかいせん、って言葉があるじゃない。
と、いった、彼女が、線をひいた。
むじひに、スッと切れめをきれて、
彼女は、だからね、と無意味なことば。
ひとつひとつが、正義である必要はなかった。
わかっていて、なにが、わかっているんだよ。
ただしい、ということが、なにひとつただしくはない、
そんなただしさ。
理解ができないよ。
あふれる液体が、シリコンカップに、
カチカチにこおらせれば、きっと形になるでしょう。
わかんないでしょ。
彼女がせいいっぱい、つきとばしていたもの、
の、ひとつ、ぼくはうっかり拾ってしまって、ああ、むざん。
冷却温度が足りなかった
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