生きるということ/ヒロタマユミ
 
江國香織は書き綴った
どっちみち 百年たてば 誰もいない
あたしもあなたも あのひとも
(すみれの花の砂糖づけ)

ZABADAKは唄った
永い時がたてば あなたのことさえ
誰も知る人は去って 名前さえ消えて
(百年の満月)

歴史のひとこまに私は生きている
生きている限り歴史は作られる
私がこの世を去ると何が残るのだろう

人生は砂上の楼閣
存在が消えてしまえば
私の記憶は何も残らない

だから今を生き貫くのだ
私というものを存在させながら
歴史を紡ぐ一員としてこのひとときに

歴史に立ち合える瞬間を味わおう
他人の人生につきあえることを喜ぼう
そして私が生きていることをみんなに示そう
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