公園の壁の煉瓦の端っこにいつの間にか書き殴られていたメモ/ホロウ・シカエルボク
世界はいつも俺の視界の隅で何ごとかゴチャゴチャと展開している、俺はそれを自分に害が及ばない程度に―流れ弾とか、もらい事故なんかを喰らわない程度には気にかけながら、自分自身の人生を生きている、だけどその大半はそんな―取るに足らないゴチャゴチャをぼんやりと眺めているようなことだ、自分や、世界や、人生なんてものにはそんなに大層な意味はない、そんなことに意味を求めてしまう人間というのは、そこには大したものはないんだということを本当は理解しているのさ…だから俺は、いつからかあれこれと理由を探ることはやめた、必要なものは勝手にどこからかやって来て種を植え付けていく、何もない大地がいつしか森に変わるみたいに
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