まさか迷子になるまいが/天野茂典
 
住所
   電話番号はうろ覚えなのである
   4時半ごろには帰りつくはずというので
   安心している

   もし本当にぼくが迷子になったら
   アドバルーンとなって空高く舞い上がり
   東京タワーを眼下に見て
   警官が駆けつけてくれるまで
   のんびりと東京背高のっぽビル見学
   としゃっれてみていたい

   本当に怖いのは大江戸線の荘厳なエスカレーターなのだが
   しっかりベルトをもってぃれば大丈夫
   と慰めてくれる人がいるが
   ぼくを先頭にドミノ倒しのように
   エスカレーターがパニクッたらどうしよう

   それでも
   森美術館によってくる
   たかが東京
   されど東京だ




               2005・03・08


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