命の河/宣井龍人
 
行き先のないお前の虚像
とどまることを知らない水
不器用に溢れるのを忘れて
拒絶された命の河に埋もれる

沈んだ肌を撫で
冷たい手を取り出す
無数のお前が揺らめき
苦しみと愛しさを唱う

光る影を背負う日常
至るところに棄てて
すべてのお前と別れる頃
今日の白日夢は終わる

暗闇を命の河が行く
永久に流れるお前の記憶
掬っては溢れ澱み慈しみ
消えた思い出と名付ける


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