どこに居るの、沙織。/ホロウ・シカエルボク
 
った。一度に吸うなよ、と金髪がレクチャーを施した。十分もすると二人は凄くだらしなくなって、特に金髪の方は涎さえ垂らしてだらりと横になった。若い男の方も少しの間とろんとしていたが、やがて目が泳ぎはじめた。具合が悪くなったのかよろよろと部屋を出て、浴室の方へ歩いた。そして、そこで激しく嘔吐した。沙織は横でほとんど胃液しか出てこない男の吐瀉物を見ていた。この人、ろくに食べていないのね、なんて考えながら。喉を絞めつけるような音を立てながら若い男はしばらくそこで吐いていた。一番つらい吐き方だ、と沙織は思った。しばらく痙攣するみたいに震えたあと、ようやく男は立ち上がった。もしかしたそのまま死ぬかもしれない、と
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