「春」九句/もっぷ
 
透明な風羽ばたける春の海


吾もまた雑草として春時雨


雲の上でも降っており冬帰る


砂光る一人二月の島に立つ


ふらここや東海汽船イルカ来る


ふるさとに晴海埠頭や桜貝


蒼き部屋闘い知らぬ初音聴く


三月の宇宙の月を見て泣きぬ


春霖や爪を抜かれし猫が吾


[グループ]
戻る   Point(1)