風の腕力/flygande
潮風を浴びている
白い丘
黒い岩肌、
なめらかな、
すべるように飛ぶ鳥の
くすんだ青の骨
、風に中指をのばす
調律師はもうなにも
弾かなくても、それが見えた
やさしい音楽に、べつの
やさしい音楽がかさなる
、調律師はふたをあけ
もうなにも、しなくても
その音が分かる
*
海岸線をさだめる
たとえば、
年ごとにうち拡がったり
退却したりする豆の花が
砂の領域を
摺りあわせていくように
しかし、
けれども、
雨
つぎに、嵐
崩れおちる断崖
(手のひら、)
(笑うと、きゅっと下がる眉じり)
(廃車に、ひたいをつけて泣く
若
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