REINCARNATION/本木はじめ
 
逃れられない者たちの背後にたたずむ無言の道化


伝えようとすればするほどこぼれゆく水の音だけ響く校廊


終着駅此処から咲きはじめるはずの真っ赤な花の種のはだいろ


眠れない夜に扉を開けつづけ巨大な蚕にあいさつをした


意識とか無意識だとか沈黙よおまえはいつまで無言のままか


欠けてゆく世界の一部としての春さくらのはなびらひろいあつめて


明日から覗かれている毎日よ思い出みたいに美しく去れ





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